アイクリニック東京グループでは、様々な目の疾患について、皆様に少しでも理解を深めていただけるコンテンツを用意しました。
今回は、〜 眼瞼下垂 編 〜 です。
■眼瞼下垂(がんけんかすい)
【原因・病態】
眼瞼下垂は、何らかの原因によって片方または両方の上眼瞼(上のまぶた)が正常な位置よりも低く垂れ下がってくる状態のことです。眼瞼下垂により上方の視野が狭く感じられたり、外見が悪くなったりする不都合が生じます。
原因は、先天性と後天性に分けられます。
先天性の場合、出生直後からみられる眼瞼下垂で、片方だけのまぶたが下がっている割合が多く占めると言われています。まぶたが下がっている方の眼では、下方でしかものが見えないため、それをカバーしようとして顎をあげた姿勢を取ることが多くなります。
後天性で最も多いのは、加齢によるものです。年齢とともにまぶたの筋肉と組織が弱まり、眼瞼下垂が発生します。加齢で起こる眼瞼下垂以外にも、外傷や神経麻痺によるものでも発生します。最近では、コンタクトレンズ装用者(特にハードコンタクトレンズ装用者)による眼瞼下垂の発生も多く見られます。
【症状】
眼瞼下垂の主な症状は、片方または両方のまぶたが低く垂れ下がっている状態です。これにより視野が狭く感じることがあります。
また、眼の周りの筋肉がまぶたを持ち上げるために余分な力を要するため、眼精疲労を感じることがあります。
症状の程度は軽度から重度まで個人によって異なりますし、原因によって症状の進行速度が異なることがあります。
【治療】
先天性の眼瞼下垂の治療の基本は手術ですが、生後6ヶ月を超えればいつでもできるため、慌てて手術する必要はありません。しかし、眼瞼下垂の程度が強い場合、時に視力の発達に影響するため、視機能の評価や合併症の有無とも合わせて眼科を受診して手術の必要性や時期について判断してもらうことをおすすめします。
後天性の眼瞼下垂の治療も手術になります。比較的まぶたの筋肉の機能の良い眼瞼下垂(加齢性、コンタクトレンズなど)は回復が見込めます。その他の後天性の眼瞼下垂では原因疾患によるまぶたの筋肉の機能の程度によっても手術方法は異なり、その効果にも限界があります。
手術以外にもボトックス注射があります。軽度な眼瞼下垂の場合、ボトックス注射が一般的な解決策として使用されることがあります。ボトックスはまぶたの筋肉を一時的に麻痺させ、まぶたを持ち上げるための筋肉が働きやすくなります。この治療は一般的に数か月間効果が持続し、繰り返し施術が必要となります。
【総括】
眼瞼下垂は、進行すると、視界を妨げるため、日常生活に支障をきたすようになります。治療の選択は、症状の程度、原因、年齢などを考慮して決定されます。
眼瞼下垂の治療は専門の眼科医に相談し、症状の評価と適切な治療プランを立てることが重要になります。