
白内障の手術で使用する眼内レンズにはたくさんの種類があります。
そのなかでも特に多焦点眼内レンズは近年目覚ましい進化を遂げており、様々な特徴を持った眼内レンズが登場しています。
たくさんの種類があるレンズの中でどのレンズが最善かは、その方のライフスタイルや手術前の矯正方法、術後どういった見え方を希望されているかなどによって変わってきます。
またどれだけ高機能な眼内レンズでも若い頃と同じような見え方になるわけではありません。
どの眼内レンズにも長所と短所があり、それぞれに特徴があります。
その意味では、眼内レンズ選びをすべて医師任せにしてしまうのはおすすめできません。
お仕事や趣味によっても選ぶべきレンズが違ってくるため、ご自身も眼内レンズの大まかな特徴を知り、ベストな選択ができるように経験豊富な眼科医とよく相談をしてほしいと思います。
そこで今回は、眼内レンズ選びの基本として、「単焦点眼内レンズ」と「多焦点眼内レンズ」の違いについて解説します。
単焦点眼内レンズとは
焦点(ピント)が合う距離が1カ所の、保険診療で取り扱われるベーシックなレンズです。
例えば遠くにピントを合わせた場合には手元が見えなくなるため手術後は必ず老眼鏡が必要となります。


多焦点眼内レンズとは
焦点(ピント)が合う距離が複数ある高機能レンズです。
健康保険が効かず自費診療になりますが、遠くも近くも裸眼で見えるようになるのが最大の特徴です。
細かい文字を見る場合や長時間の作業の場合には薄い老眼鏡をかけた方が楽なこともありますが、基本的には裸眼で生活することが出来ます。
多焦点眼内レンズでの見え方に脳が慣れるには、個人差はありますが一般に3ヶ月程度かかると言われており、眩しさも感じやすいため、特に手術後数週間は注意が必要です。
また、暗いところでの見え方がやや落ちるデメリットもあります。
最近はこのハロー・グレアと呼ばれる現象はレンズの性能が上がることによって少なくなっていますが、お仕事で夜間の運転をされる方や特殊な職業に就かれている方は、よりハロー・グレアが少ないレンズをお選びいただくことをお勧めします。
