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【コラム】円錐角膜の矯正・治療法

前回のコラムは、円錐角膜は角膜の突出により近視と不正乱視が出現すること、治療には早期発見が重要なことのお話でした。

この不正乱視により矯正方法が限られてしまうことが円錐角膜のやっかいなところではないかと思います。今回はそんな円錐角膜の矯正方法や治療方法を簡単にご紹介致します。

円錐角膜の矯正・治療方法

①〜③は円錐角膜の矯正方法、④〜⑥は円錐角膜の治療方法です。
※円錐角膜の程度の目安や治療の適応についてはHP内に詳しい説明があります。(こちらからどうぞ)

①眼鏡・ソフトコンタクトレンズ

円錐角膜の程度が軽度であれば、不正乱視があっても眼鏡やソフトコンタクトレンズの装用である程度の視力が得られます。

②ハードコンタクトレンズ

不正乱視に対して最も相性のいい矯正方法がハードコンタクトレンズです。
これはハードコンタクトレンズと角膜の間に出来た涙の層がレンズの役割をすることによって、角膜の歪な乱視を矯正できるためです。
最近では円錐角膜専用の特殊レンズが開発されていますが、その装用感で断念する方も少なくありません。

③有水晶体眼内レンズ

ICLを含む有水晶体眼内レンズは、眼の中に専用のレンズをインプラントする方法です。
眼鏡やコンタクトレンズで良好な矯正視力の得られる方であれば手術の適応となります。

④角膜クロスリンキング

円錐角膜の進行を予防する治療です。
角膜にリボフラビン(ビタミンB2)を点眼し、紫外線を照射することで角膜実質のコラーゲン線維の架橋(結びつき)を強くします。

⑤角膜内リング

角膜内リングは、角膜に1~2枚のリングを挿入する方法です。
円錐状になった角膜の中央部を平坦化させることができるため、近視と乱視を軽減します。

⑥角膜移植

突出の程度が高度で、上記の治療法のどれもがあてはまらない場合に適応になります。
以前は全層角膜移植(角膜の全ての層を取り替える手術)のみが行われてきましたが、最近では深層表層角膜移植(角膜の一部の層を取り替える手術)も行われます。
全層角膜移植は手術後の視力が比較的良好ですが、深層表層角膜移植は合併症や拒絶反応が少なく、眼球の強度も全層角膜移植に勝ります。

次回は当院でおこなっている円錐角膜の治療法④角膜クロスリンキング、⑤角膜内リングについて、1つずつ詳しくお話しいたします。

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