アイクリニック東京グループでは、様々な目の疾患について、皆様に少しでも理解を深めていただけるコンテンツを用意しました。
今回は、〜 内反症 編 〜 です。
■内反症
【原因・病態】
内反症とは、まつげが何らかの原因で内側に向かって生えているため、まつげが角膜(くろめ)に接触した状態のことで、一般的に「逆さまつげ」と呼ばれるものです。
本来のまつげは、まぶたの縁から外側(眼球とは反対方向)へ自然にカールして眼球にあたらないようになっていますが、逆さまつげの状態になると、まつげが眼球に接触し、眼球や目の表面の角膜に損傷を引き起こすことがあります。
内反症は、「睫毛乱生」、「睫毛内反症」、「眼瞼内反症」の3つの病名を含んでいます。
・睫毛乱生
まぶたの向きには異常がなく、正常なまつげの中で何本かが眼球に向かって生えている状態です。まつげの毛根の周囲で起きた炎症による傷跡などが原因で、まつげの生える方向が不規則になってしまうものです。
・睫毛内反症
まぶたの向きが正常にも関わらず、下まぶたの皮膚や皮下脂肪が多いことが原因で、盛り上がった皮膚によってまつげが眼球の方向に押し込まれている状態です。乳幼児に多く、5歳前後になって顔が引き締まってくると自然と治ることが多く、程度が酷くなければ経過をみます。
・眼瞼内反症
まつげだけではなく、まぶた全体が内側(眼球の方向)を向いてしまう状態です。主に加齢によってまぶたの組織や筋肉が緩んだり、まぶたの皮膚がたるむことが原因とされています。
【症状】
内反症によってまつげが眼球に擦れることで角膜に傷ができ、目がゴロゴロしたり涙が出たり、痛みや充血が起こることがあります。重症の場合は視力が低下することもあります。
【治療】
乳幼児の場合は成長と共に内反症が改善することがある為、目を清潔に保ち、目やにや角膜の傷に対して目薬を使用しながら、経過観察をしていくことが多いです。
就学時になっても、改善傾向がなく、症状が強く角膜障害や乱視などが原因で視力低下を引き起こす場合には、手術が必要となります。
加齢性の内反症の場合は、自然と改善することはなく、当たっているまつげを抜くと一時的に症状は改善しますが、まつげが生えてくると再発する為、痛みや炎症が強く現れる場合は手術を検討します。
また、逆さまつげを切ったり抜いたりすると、今度は先がとがったまつげが生えてきて角膜を傷つける場合があるので、自己処理は注意が必要です。
【総括】
内反症は、症状がひどい場合は手術が必要となります。内反症によってまつげが角膜に当たり、傷ができることで、視力に影響が出てくることもあります。
自己判断せず、専門医の診断を受け、指示に従うことが大切です。