アイクリニック東京グループでは、様々な目の疾患について、皆様に少しでも理解を深めていただけるコンテンツを用意しました。
今回は、〜 霰粒腫・麦粒腫 編 〜 です。
■霰粒腫・麦粒腫
【原因・病態】
霰粒腫とは、瞼の中にできた小さな固い腫瘤です。マイボーム腺(まつ毛の生え際にある涙の成分を分泌する脂の腺)の出口がつまり、その中に粥状の分泌物がたまって肉芽腫を形成したものです。麦粒腫と異なり、細菌感染を伴わない無菌性の炎症です。
麦粒腫とは、俗に言う「ものもらい」と言われる眼の疾患で、細菌に感染することで起こります。眼瞼には、涙や汗の分泌腺や毛穴がありますが、その小さな孔から細菌が感染して症状を引き起こします。感染した場所により外麦粒腫と内麦粒腫に分類されます。
麦粒腫は「ものもらい」と呼ばれることが多いですが、他の地域によっては「めばちこ」、「めいぼ」など様々な言い方が存在します。
出典:日本眼科学会ホームページ
【症状】
霰粒腫の主な症状は、眼瞼の腫れや異物感です。典型例では痛みも赤みもなく、眼瞼にコロコロとしたできもの(腫瘤)ができます。急には大きくなりませんので、しばらくの間は経過を見ていても構いませんが、自然に治ることはまずありません。炎症を伴った場合は麦粒腫と似た症状が出ることがあります。
麦粒腫では、まぶたの一部が赤くはれて、しばしば軽度の痛みや痒みを伴います。炎症が強くなってくると、赤み・腫れ・痛みが強くなります。化膿が進むと、腫れた部分が自然に破れて膿が出ることがあります。膿が出てしまえば、その後症状は回復に向かいます。
【治療】
霰粒腫の治療は、早期であれば霰粒腫の中に副腎皮質ステロイド薬を注射することで治ることもありますが、時間が経っても改善が見られない時は、霰粒腫を包んでいる袋ごと摘出する手術が必要です。炎症を伴う場合には、まず抗生物質などで炎症を抑えます。
麦粒腫の治療は、感染によって引き起こされている為、抗生物質の点眼、軟膏を使用します。時には抗生物質を内服し、治療することもあります。化膿が進んだ場合は切開して、中の膿を排出することもあります。
【総括】
霰粒腫は感染が原因ではなく、麦粒腫は感染によって引き起こされます。ただし、症状や治療は個人差があり、その程度に応じて治療法が調整されることがあります。
麦粒腫は感染によって引き起こされますが、原因となる細菌は、常在菌で人が常に持っている細菌である為、人にうつることはありません。ただし、汚れた手で患部をいじると、治りが遅くなったり、完治しても再発したりする場合があります。患部を不必要に触らないように注意しましょう。