アイクリニック東京グループでは、様々な目の疾患について、皆様に少しでも理解を深めていただけるコンテンツを用意しました。
今回は、〜 緑内障 編 〜 です。
■緑内障(りょくないしょう)
【原因・病態】
緑内障とは、何らかの原因で視神経が障害され、視野(見える範囲)が狭くなる病気で、眼圧の上昇がその病因のひとつと言われています。眼圧の上昇により、視神経が障害されることで、徐々に視野が狭くなり、最悪の場合失明に至ることがあります。
日本での緑内障の有病率は、40歳以上の約20人に1人と言われていて、現在の日本での失明原因の第一位になります。
緑内障は主に原発緑内障、小児緑内障、続発緑内障に分けられ、原発緑内障はさらに開放隅角緑内障、閉塞隅角緑内障に分けられます。
日本人に一番多いと言われている緑内障は正常眼圧緑内障です。正常眼圧緑内障とは眼圧が正常範囲内(10~21mmHg)にも関わらず緑内障になることで、原発開放隅角緑内障に分類されます。疫学調査では日本人の緑内障の約7割は正常眼圧緑内障であるとの結果も出ています。
【症状】
症状は、少しずつ見える範囲が狭くなっていきます。しかし、その進行は非常にゆっくりで、両方の目の症状が同時に進行することは稀なので、病気がかなり進行するまで自覚症状はほとんどありません。
【治療】
一度障害を受けた視神経は元には戻らないため、病気の進行をくい止めることが緑内障の治療の目標になります。したがってできるだけ早期に緑内障を発見し、適切な治療を開始することが大切になります。
病気の進行をくい止めるためには、眼圧を適切な範囲にコントロールすることが有効とされています。
治療法は、薬物治療、レーザー治療、手術の3つがあります。
開放隅角緑内障、正常眼圧緑内障では、眼圧を下降させる点眼薬による薬物治療が第一選択になります。最初は1剤から点眼を開始し、効果が不十分であれば他の点眼薬に切替または2~3種類の点眼薬を併用します。
薬物治療で目標としている眼圧まで下がらない場合や緑内障の進行を抑えきれていない場合は、レーザー治療や手術を行うこともあります。レーザー治療や手術を受けて、眼圧が下降しても、その効果が維持されるとは限らず、再度手術を行う場合もあります。
閉塞隅角緑内障では、急激な眼圧上昇により、適切な治療が早急に行われる必要がある場合には、レーザー治療が選択されます。
【総括】
緑内障は自覚症状がなく、病気であること、また進行していることに気づかないことが多いので、定期的に眼科を受診し、検査を受けることが重要です。早期に発見し、治療を開始することで悪化することを防ぐことができます。40歳を過ぎたら少なくとも年1回は定期検診を受けられるのがよいでしょう。